武陽会 - 兵庫県立第二神戸中学校・兵庫県立第四神戸高等女学校・兵庫県立兵庫高等学校 同窓会

【伴和夫先生を偲ぶー同窓会でのこと】   
【伴和夫先生を偲ぶー同窓会でのこと】

 2003年11月15日(土)兵庫県立兵庫高校の学年同窓会が「第一楼」で開かれた。参加者数57名。そこへ往年の名物教師・伴和夫先生の追悼集18部を携えて、私は出席したのだった。

 伴先生は惜しくも2000年12月9日亡くなっている。その翌年8月26日午後2時から4時まで兵庫県高校教職員組合会館で開かれた「伴和夫先生を偲ぶ追悼集会」へ私は出ていたのだ。あれからすでに2年ちょっと経っている。その折に配られた冊子「伴和夫先生を偲ぶ」は、兵庫県立兵庫高校の坂本伸哉先生の肝煎りで出版された。

 伴先生は高校の英語教師として、平和教育に情熱を傾けた。長い教職歴の中での教材は、「アンネの日記」、「ムッちゃんの詩」、「キング牧師の演説」などだ、と私は聞いている。ムッちゃんは、防空壕の中で孤独な衰弱死を遂げた少女の逸話だ。

 伴先生の享年は78歳。死の3年前1997年8月英語教育の集大成として書物を出版している。伴和夫教育著作集(機法岷儻豢軌蕕陵論」である。同月「神仙閣」で開かれたその出版記念会へ私は出席している。そのときも兵庫県立兵庫高校の坂本先生は尽力された。その宴席への誘いは私の想像するに、伴先生と年賀状のやり取りをするなどした往年の生徒つまり卒業生たちの名簿が、主として対象になったのだろう、と思われる。当日の宴席では、卒業年次ごとに座席がしつらえられていた。私の卒業年次の者は4名で近接の年次と同じ円卓だった。主役の伴先生はお元気そのもので、150名規模の宴会だったと私は憶えている。

 私は在校生時代からも、伴先生とそれほど濃いお付き合いというわけでなかった。ただ後年、学年同窓会の世話人のひとりとして、いつしか年賀状のやり取りを続けるようになっていたので、この出版記念会へ招かれ参加する流れになったわけだ。宴席のコーナーには、伴先生のアルバムとか印刷物とかの展示もあった。教員生活では同僚との交流に努めた様子で、教育成果の研究発表の足跡もうかがえた。亡くなったいまでも伴先生の名前で、インターネットのワード検索をすると、資料がいろいろと出てくる。

 もちろん宴席の主役は伴先生だ。われわれ生徒仲間では「伴サン」と呼ばれていたお人柄だった。昔と変わらず重きをなす風情でありながら、いっぽう飄逸で気さくな感じである。この日、伴サンは元気いっぱいだった。きょうお披露目の著作はシリーズ第1作で、その第2冊目の編纂に手をつけていると言った。これは、伴和夫教育著作集(供法岷儻豢軌蕕陵論」として、死の翌年8月出版された。でも全体の構想はもっと大きいものようだった。

 またこの日、伴サンは本来の面目を発揮して、「神仙閣」での宴席は、英語の授業風景となった。教え子たちが作った英語の詩をプリントにして配り、発音によって作者の気持ちを汲み取ることを教えたのだ。ご丁寧にも白板とマーカーも用意されていた。宴席に連なるいまでは社会人たちは、昔の生徒にタイムスリップして、伴サンの板書きを目にしながら大声で唱和させられたのだった。場内は晴れやかな雰囲気につつまれていた。伴先生の教育理念は英語嫌いをつくらない、ということだ。「楽しい授業」を手がけ、外国語能力を身に付けさせて、異なる文化・文明への理解や畏敬を教え子らに持たせることが、伴先生の平和教育だった。それはB先生の軍人としての戦争体験に裏打ちされていたものだ。

 2001年8月26日兵庫県高校教職員組合会館で開かれた「伴先生を偲ぶ」追悼集会では、5,60名ほどの集まったが、その大半は教育者・教師仲間だった。私は兵庫県立兵庫高校の坂本先生から追悼集会への案内文をもらって参加した。私の立場は兵庫高校卒業生というものだ。もちろんほかにもそういう立場での参加者もいた。ただ、その人数は意外にも少ないようだったうえ、私と卒業年度を同じくした者はいなかった。この追悼集会の案内文は7月初めに届いたが、それには併せて追悼記念誌を出したいので、参加者各位へ追悼文の寄稿を要請する趣旨も併せて印刷されていた。数日気に留めていたが、私は思い立って伴先生への追悼文を起草して、世話人の坂本先生へ郵送したのだった。タイトルは、「追悼(いくつもの事を成し遂げた人へ)」、そのように私は付けた。

 伴先生追悼集会では、2種類の追悼記集が配られた。一つは「伴和夫先生とともに生きた日々」で現職の教職員仲間の追悼記集で2001年7月22日上梓のものだ。もう一つは、「伴和夫先生を偲ぶ」だった。これは昔の教職員仲間のものという出来上がりで、8月26日上梓である。ここに私のものした追悼文も収録されていた。私以外にも卒業生の追悼記が掲載されていた。けれども、編集の任にあたった兵庫高校の坂本先生の意図では、もっと多くの卒業生の手記を期待していたのでなかったか、と私には思われる。それはともあれ、追悼スピーチでは、話し手の教職経験も背景にあって、伴先生の思い出話が次々と出た。私も求められてスピーチした一人だった。伴サンはじつに筆まめなお人なので、細かく手書きした分厚いプリントをどんな会合にも持参しては配る習慣があった。そんな物をもらっても読むのが面倒だというエピソードがあったのだ。けれども、私は目を通していたので、その話をしてあげた。みんな笑った。「恐怖のプリント」に一同なじんでいたのだ。卒業生の中では卒業年次は私よりも後だが、物怖じしない中年女性が、映画を見るとき字幕に頼らなくて済むのは、伴先生のおかげだという話をしたのが、私の印象に残った。この席には故人のご長男も出席し、父の思い出を語り、一同へ謝辞を述べた。ビールとおつまみ、サッドイッチ、おすしなどが出たが、質素な料理だった。それでも、場内では笑いもあって、おだやかな心温まる雰囲気が醸し出されていた。やはり故人の人柄を反映したものだったろう。

 坂本伸哉先生は、兵庫県立兵庫高校で教鞭をとっているが、じつはそこの卒業生でもある。私よりも5年次後輩筋に当たっている。坂本先生は伴サンにいたく恩義を感じている。そのことが「伴和夫先生を偲ぶ」に掲載されている。それは在校生当時のことだ。家庭の事情のため大学進学を断念しようとしたところ、担任の伴サンが坂本先生の母親を説得してくれたから、進学の希望をかなえることができたのだ。坂本先生の父親は戦死していた。伴先生は、坂本生徒のために日本育英会の進学予約奨学金の手続きをしたのである。

 8月26日追悼集会で坂本先生は、受付の任に当たっていた。そこには、冊子「伴和夫先生を偲ぶ」が山積みされていた。あれから2年少し過ぎた。私はそれを憶えていたのだ。2003年11月12日兵庫県高校教職員組合会館を訪ねた。来意を告げ探してもらうと、「伴和夫先生とともに生きた日々」が15部ばかり残っていた。しかし「伴和夫先生を偲ぶ」は出てこなかった。あの山積みの資料はどこへ行ったのだろうか。私は謝意を述べて、「伴和夫先生とともに生きた日々」は元の場所へ保管してもらうことにし、1冊だけもらった。そこで仕入れた情報で、坂本先生は、兵庫高校をいったん定年退職して、再就職の形で教職を続けていることが分かったのだった。同じ日、私は母校へ電話して、坂本先生に用件を告げた。「伴和夫先生を偲ぶ」は自宅に15部ほどもっていて、どうしたものかと思っていたそうだ。翌13日私は母校へ足を運んだ。校長室横の資料室に坂本先生用意の封筒が置いてあった。

 2003年11月15日(土)「第一楼」。兵庫県立兵庫高校の学年同窓会で私は、「伴和夫先生を偲ぶ」18部を配った。参加者57名なので、私はマイクを持ちいきさつの説明に立った。希望者はこちらへ立って取りに来るようにと私は言ったのだった。何人かが前に来たけれども、相当部数が残った。それで私は自分のほうから各円卓へ足を運び、全部さばいたものだ。持って行くと、手を伸ばしていかにもほしそうな様子を全身で現して受け取ってくれた同窓生もいた。このあと宴席はいちだんとなごやかな雰囲気に包まれていった。この企画は、あらかじめ世話人に申し入れていたのだ。後日電話で感想を聞くと世話人は、「あの話は、よかった」と言ってくれた。にぎやかな宴席でも耳を傾けてくれるお人もいたのだ。まぁ、私にすれば、伴サンへの手向けであり、ご供養の一端でもある。


谷本憲司/43陽会
 <3年4組、2年2組、1年6組>
2007年07月08日 43陽会 谷本憲司/神戸様より
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